今回は、えびの市で事業を頑張られている方をご紹介します!

地元で親しまれている自転車とバイクの販売・修理店、大門サイクル商会の大門哲也さんです。

大門さんは、自転車やバイクの修理・販売を通じて、地元の方々の生活を支える仕事をされています。
国道沿いに店を構えてからは、新規のお客様も増え、地域外からのお客様も訪れるようになりましたが、地元のお客様との繋がりを何よりも大切にされています。

大門サイクル商会は、祖父の代から地域に根ざした店舗として知られ、大門さんはこの伝統を大切にしながらも、時代の変化に応じて新しい取り組みを行っています。
地域の人々と共に成長し、地域の一員として貢献していく姿勢が、多くの人々に支持されています。

今回は、これまでの経験を通じて感じたことや、事業を通じて地域に貢献していく思いについてお伺いしました。

始めに、今のお客様について教えて下さい。

うちは祖父の代から続いています。
地元のお客様が多いのですが、国道沿いに移転してからは新しいお客様も増えました。

地元のお客様には、祖父の代からの長いお付き合いがある方もいらっしゃいますが、高齢化が進み人口が減少していますので、将来を見越して国道沿いに移転し、それで商圏が広がりました。
現実的には、都城や伊佐くらいまでですが、時々もっと遠いところから来てくださるお客様もいらっしゃいます。

うちの商品は、買ったときだけでなく、後のメンテナンスが必要な業種です。
今はインターネットでいつでもどこでも買い物ができる時代です。
ネットで買った後に来店されるお客様もいらっしゃいますし、昔からのお付き合いのお客様も多くいらっしゃいます。

前の代から大事にされてきた所や、これからも引き継いでいきたいことはありますか?

やっぱり、地元を大切にしたいと思っています。
もちろん、遠方から来てくださるお客様もいらっしゃいますが、基盤は地元なので、地元を大事にしたいです。
これは、祖父や父も同じ考えだったし、地域に密着した活動はこれからも大切にしていきたいと思います。
商売だけじゃなく、地域を盛り上げる団体にも参加していて、地域の行事や様々な活動に関わらせていただいています。
基本的に地元が盛り上がらなければ、自分の商売も成り立たないと思っています。

ただ、今は地元の人口が減少しているため、商圏を広げることは必須だと感じています。
どんなに地元を盛り上げても、人口減少を完全に止めるのは無理だと思っていますが、緩やかにはできるかもしれません。
そういう事で、商圏を広げて遠方からもお客様に来ていただく必要があると考えています。

ただ、私たちの業種は、インターネットでの販売も行いますが、商品を売るだけでなく、後の修理などでリピーターを獲得する部分が大きいので、その意味でも地元は絶対的な基盤です。
地元や地域のお客様を大切にし、しっかりとつながりを持つことが重要です。
それを代々真面目に取り組んできたのだと思います。

サービスを提供される中で、喜びや誇りを感じる瞬間はありますか?

お客様が喜んでくれることが一番です。

例えば、販売したバイクに乗って楽しそうにされているとか、バイクが壊れて困っていた人が、直って良かったと喜んでくれることが嬉しいです。
お客様相手の商売はそこに尽きると思います。

たまにですが、思い出の品を復活させることもあります。
思い出の品とは、バイクや自転車の事ですが、お客様が子供の頃に乗っていた自転車を、今度は自分の息子に乗せたいからと持ち込まれることがあります。

あと、代々繋がっているお客様とお話しするのも楽しいですね。
「じいちゃんの時からお世話になっています」と言ってくださる方もいらっしゃいます。
そういう時は、代々続けていく意味を感じます。

現在、お考えになられている事を教えてください。

最近は、全国的に地域の自転車屋さんやバイク屋さんが減ってきています。その一番の原因として、我が子に事業承継させない事業所さんが多いようです。
うちの親父の世代は、良い時代も悪い時代も経験しています。良い時代を知っているからこそ、悪い時代との落差を痛感しているのだと思います。
昔は、えびの市の真幸地区だけでも自転車屋さんが5、6件あったそうです。
でも、僕が物心ついた頃には、既にうちだけになっていました。
今、えびの市で純粋に自転車屋と言えるのは、多分うちだけです。
人口減少も一因ですが、地元の人々が本当に困っています。
小さなパンク修理でさえ、家から片道2、30分かけて持ってこられることもあります。
もし各地区に自転車屋さんが一軒ずつあれば、修理が近くでできるはずです。
僕の代で事業を終えたら、パンク修理ができる場所もなくなってしまいます。
どこが受け皿になるのか、それを考えるとやはり残していかなければならないと感じています。

事業として後世に残すために、ここに出てきたんです。
それが国道沿いに移転した一番の理由です。

起業支援センターを利用されたきっかけを教えて下さい。

新店舗オープンや事業承継を考えていたタイミングで、私は青年会議所の専務を務めていたので、起業支援センターの活動については聞いていました。
青年会議所ではいろんな人と繋がりができました。
大企業の社長もいれば、私たちみたいに小さな事業をしているところもあります。
さまざまな話を聞いているうちに、自分なりのビジョンがだんだんと形になってきました。
そこで誰に相談するか考え始めたのがきっかけです。

自分の中の不安を取り除くために相談しました。

起業支援センターからはどのようなサポートやアドバイスを受けましたか?

自分の考えを伝えたところ、「専門家がいますから」と、税理士さんを呼んでいただきました。

決算書を見て頂き、基本的には経営面や資金繰りなどを中心にアドバイスを頂きました。

今後事業をどの様にされたいですか?

最近は、おかげさまで商圏も広がり以前より忙しくさせて頂いております。
その中で地域ごとや家庭と仕事の両立に四苦八苦しています。

まずは、今の状況を上手くコントロールして、軌道に乗せる事を第一に考え、その後新たな事業展開が出来ればと思っています。


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代表:大門 哲也
〒889-4151  宮崎県えびの市向江1111−1
電話:0984-37-1751
メール:daimon@trust.ocn.ne.jp